香住・蒜山地方キャンプツーリングレポート
2019年8月4日(水)〜6日(金)
今回の目的:念願だった兵庫県の余部(あまるべ)鉄橋を見る。電車に乗って実際に鉄橋を渡る。北海道ツーリングの準備としてキャンプ用品の使い勝手を検証する。昔CBなどでよくやっていたソロキャンプツーを再現する。STの走行性能と自らの限界を試す。
8月4日(水)<1日目>【福山→津山→鳥取→兵庫県新温泉町草太園地(くさぶとえんち)キャンプ場】
8:50に自宅を出発し、津山市までは今まで何度も来て勝手知ったる道なのでほぼ予定通り。津山で名物のホルモンうどんを食べようと思って店を探すが、見当たらず市内をグルグル走り回る。やっと幟が立っている店を見つけ入ると婆さんが一人でやっていて、エアコンは無く扇風機。しかもテーブルには灰皿が置いてあって、後から来た客が近くでタバコを吸い、非常に不愉快。肝心のホルモン焼きうどんは780円とB級グルメとしては高い。しかもホルモンが硬く半分は飲み込んだ。後悔したが、やはり目的の食事がしたいのなら、前もってネットで情報を得ておくべきだった。
店を出て兵庫県の新温泉町を目指したが、内陸の道は結構複雑で迷った挙句、鳥取市内まで行き、遠回りだが分かりやすい9号線を通って行くコースに変更。しかし、中心部に行くとすぐに9号線にでるものと思っていたがなかなかたどり着けず、信号でスクーターに乗った婦人に尋ねたりして、かなり遠回りして時間をロス。その後も自動車専用道路(全線開通しておらず、入ったかと思うとすぐに降りたりした)に入って迷ったり、今回は地図を読む能力が昔より落ちていることを痛感した。
4時半ごろやっとキャンプ場の受付をしている健康公園事務所というところにに着いた。なぜこのキャンプ場を選んだかというと、明日行く余部にそこそこ近く、また温泉も近くにあるからである。キャンプのシーズンまっさかりなのに、今日は自分一人らしい。なぜか事務所の人が心配して「一人だけど大丈夫ですか?」と聞くので「全然平気です!」と答える。使用料の1000円とゴミ袋代100円を払う。キャンプ場は離れて分かりにくいところにあるので、親切にも事務所の男性が軽トラで誘導してくれた。かなり急こう配の山の中に入り、キャンプ場に着くと野球場くらいのだだっ広い場所で、広い炊事棟もあり、トイレもきれいで、まあまあの場所。早速テントの本体を張り終えると同時にまさかのゲリラ豪雨。とりあえずタープとブルーシートをテントにかけ、使われていない管理棟の玄関の軒下(2m四方)に避難し、合羽とシューズカバーを付けて使う荷物をそこに移動させた。雨は一向に止まず、地面には水たまりができている。

1時間ほどして止んだので、近くの湯村温泉に行き、疲れを癒すことにする。ネットで調べると薬師湯という温泉が500円で入れるのでそこに行った。すると全く知らなかったが、すぐ近くにこの温泉が舞台であるTV小説「夢千代日記」の記念館があったので300円を払って先に見学した。町を挙げてのロケだったらしい。若いころの吉永小百合がきれいだった。(今でも十分きれいだが。) 風呂の湯はあまりきれいでもなかったがしっかり温まることができた。そこを出ると温泉街らしく、浴衣姿の観光客がブラブラ歩いていた。少し暗くなった中、来るときに確認しておいたスーパーに行き総菜とビール、日本酒、そして翌朝の朝食として牛乳とサンドイッチを買いキャンプ場に戻る。雨は止んで空は星も少し見えるようだったが、地面が濡れていたので、すべてテーブルやイスなど荷物を軒下に運びそこでランプをつけて酒宴を始めた。誰もいないただっぴろいキャンプ場を一人占めして、孤独を味わいながら呑んだ。日本酒は明日行く香住の地酒「香住鶴」がとても美味しく正解だった。酔いが回っていい気持になったのでテントに戻り10時ごろ就寝したが、夜中に何度も目が覚めた。雨も時々降ったようだったが、タープとブルーシートをかけていたため大丈夫であった。誤算だったのが新品のエアーマット。少しずつ空気が抜けて来たので、夜中に一度空気を入れたが朝になるとやはり抜けていた。Amazonの評価で買ってすぐに空気が漏れるというのがあったが、まさにその通りだった。さすが中国製。
8月5日(木)<2日目>【草太園地キャンプ場→余部→蒜山高原キャンプ場】
6時ごろ起床。軒下に行ってみると夜中にキツネかタヌキが来たらしくゴミが散乱し、朝食用のサンドイッチが跡形もなく食われていた。やはり長い間キャンプから遠ざかっていたので、寝るとき食料はテントの中に入れるという基本的なことを忘れていた。最初曇っていたがだんだんと雲が上がり、晴れてきたので濡れていたものを広げて乾かした。その間、ガソリンが少なくなっていたので町の中心部に行き給油。ここだけでなく山陰や山間部はなぜか、ガソリンスタンドはほとんどエネオスでしかもセルフが少なかった。9時キャンプ場出発。今回の目的地、余部鉄橋を目指す。道は快適で10時半には鉄橋下にある余部の道の駅に着いた。道の駅では余部鉄橋の説明のビデオを見たが、鉄橋のできた経緯や強風で列車が鉄橋から転落するという悲惨な事故の様子などが良く分かった。時間があったので計画通り、空の駅と呼ばれる余部駅へエレベーターで昇り、一駅先の鎧(よろい)駅まで山陰本線に乗り、10分ほど待って戻ってきた。天気も快晴で湾が一望でき素晴らしい景色だった。
香住まで行って昼食にしようと思ったが、腹も減ってなかったので名物の海産物の珍味を夜のつまみ用に買い蒜山に向かった。行く途中、浜坂の道の駅があったので休憩がてら、そこの名物の十割そばを食べることにした。単品でよかったのにたまには贅沢をしようと天ぷらと炊き込みご飯などがついた定食にしたが、やはり自分には量が多すぎた。
ここで痛恨のミス。ヘルメットをホルダーにかけず、リアシートの荷物の上に置いたままリアボックスを開けたため、メットが地面に落ちてシールドに少し傷が着いた。途中別の道の駅のコンビニで携帯の電池式充電器を買ったが、これは太陽光充電のランタンに付属のケーブルを持ってきていれば買わなくてよかったものだった。またランタン一つでは暗かったのでダイソーで300円のランタンと電池を買った。あとは余裕で目的地に着くはずだったが、この日最大の道を間違えるというヘマをし、時間を稼ぐため高速を使って休暇村蒜山高原キャンプ場を目指した。(教訓:おかしいと思ったらすぐに地図を見て、道を確かめ引き返す)
サイトはオートキャンプ場ですぐ近くに家族連れと、少し離れたところにスズキの「刀(カタナ)」に乗ってきた若い男のみだった。
テントを設営して受付をしたホテルの温泉に入ったがとてもきれいでサウナもあり最高だった。今回予約したのは1050円のバイクツーリング応援プランというもので、別に温泉が500円のところが300円で入れるのだ。その後近くのコンビニで酒とつまみを買う。呑んでいるとだいぶ暗くなったころポツリポツリと雨が降り出したので、昨日は使わなかったタープを張ろうとポールを出し、まとめてあった紐を適当にほぐしたら完全に絡まり30分以上かかりやっとほどいた時にはあたりは真っ暗。とりあえず2本のポールを立てようとしたが、ペグがあまりにちゃっちくて(アマゾンの評価にも使い物にならないと書いてあった。)土に刺さらず、結局バイクとテントの端をブルーシートで覆い雨対策とした。幸い、たいした雨は降らなかったが、山でキャンプをするときは十分に雨対策を考えるべきだった。カタナの兄ちゃんを見ると結構大きなテントでタープもしっかりした物のようだった。
8月6日(金)<3日目>【蒜山高原キャンプ場→大山→福山】
大山・蒜山ロードを相変わらず道を間違えながら大仙寺を目指した。サイクリング用の案内が道路に書いてあり、結構参考になった。大山や蒜山は何度も来ているがやはり景色が雄大で最高だった。特に山がまるで巨大船のように見える船上山は迫力があった。大山の中腹に「植田正治写真記念館」があったので行ってみたら残念ながら休館日だった。
ガソリンが無くなりかけたので、いったん米子市内まで降りて再び大仙寺へ。何か甘いものが欲しくなり、ソフトクリームを食べた後は一路帰途へ。途中日南町の道の駅でトマトカレーを珍しいと思い、期待して食べたが普通のカレーだった。食後のコーヒーを飲んだ後、15時頃無事帰宅。
バイクと久しぶりのキャンプを存分に満喫した3日間であった。走行距離は約800km。結構疲れたが、長い間ハンドルを握っていたせいか指が中風のようにくっついてこれは困った。無理をせずに、こまめに休憩を取るべきだった。