北海道ツーリングF 2023年

9月2日(土)〜4日(月) 【福山→敦賀→苫小牧→襟裳岬→帯広】
<9/2(土)1日目> 福山→敦賀(新日本海フェリー乗船)
 前日、大体準備したつもりだったが、あれもこれもとバタバタし結局10時半頃出発。今日は長距
離を走るので、笠岡IC手前のガソリンスタンドで給油する。先日君田キャンプをした時よりかなり装
備の重量が増しているので倒れないか心配である。荷物もしっかり固定したはずだが、念のため
高速に入ってすぐの道口SAで積み荷の確認をする。すると隣にニンジャ400に乗った若い男性が
来て挨拶する。これから北海道に行くと言うと、「元気ですねえ」と言われた。彼は下関から倉敷へ
の帰りだそうだ。


 敦賀までは高速で約360qあり、一度に走る距離としては最長かもしれない。時間的には十分に
余裕があるので、無理をせず休憩を取りながら走ることにする。W800は積み荷が重いせいか高速
での安定感は空荷のときよりも安定感があり、少々の風でもふらつかないが、時速90〜100kmくら
いで安全に走行することにする。ただシートバッグがかなり幅を取っているので乗車姿勢が窮屈な
のが難点である。しかも右膝の内側がベベルギアカバーに接触するので熱くなってしまう。

 12時過ぎに休憩を兼ねて龍野SAで昼食。あまり腹がすいてなかったのでざる蕎麦を食べる。期
待はしていなかったが、ワサビを自分ですりおろすので意外と美味しかった。

 山陽自動車道の神戸JCTから中国道に入り、吉川JCTから舞鶴若狭道へ。これは昨年、舞鶴港
から小樽に行った時と同じルートである。ガソリンが少なくなったので西紀SAで給油。なんとL/207
円だった。笠岡で入れたときは177円だったので30円も高い。その後、綾部PA、加斗PA、三方五
湖PAでこまめに休憩し、17時過ぎ、敦賀南ICを降りる。

 ここからフェリーターミナルまではスマホのYahoo!ナビを使うが、全く役に立たない。今回、このナ
ビを何度も使ったが、なぜか調子のいい時と悪い時があり結構悩まされた。しかも市内は敦賀まつ
りの当日で、あちこちが通行止めになっていて、かなり迷いながらもなんとかフェリー乗り場に到着。
場所を確認したら、乗船後の酒のつまみを求めてスーパーを探して購入し、19時頃乗り場に戻ると
バイクが一台止まっていたのでその後ろに付ける。三重ナンバーのYAMAHAセローの同年配くらい
の男性がいて、私と同じように2週間くらいで道南を走るそうだ。小さい車体にかなりの重装備で、
「今回がキャンプをするのが初めてで不安です。」と言うので、「北海道のキャンプ場はどこも快適で
大丈夫ですよ!。」と励ました。

 さて2階の待合室に行き、乗船までの3時間余りをどう過ごそうかと考えた。簡単に腹ごしらえをし
ておこうと1階のカフェ風の食堂で味噌ラーメンを食べるが予想通り不味かった。まあ北海道に渡っ
て美味しい味噌ラーメンを食べよう。 

 待合室に置いてあったパンフレットなどを読んで時間をつぶしていると、そのうちバイクも次々とや
ってきて、最終的には30台くらい並んでいた。 

 バイクの乗船開始は23:15だったが昨年、早めに行ったのに随分と待たされた記憶があったので
5分前に行くと、なんともう走り出しているではないか!慌ててバイクに跨ったが非常に焦った。

 乗船し、自分の寝るところを探して荷物を置いたら速攻で風呂に行った。まだ人が少なくゆっくり
湯につかり今日の疲れを癒した。その後売店でビールを買い、一日を振り返りながら美味しく呑ん
だ。フェリーの心地よい振動に眠気を誘われ、1時半頃就寝。

<9/3(日)2日目> フェリー→苫小牧東港→ライダーハウス苫小牧                  
 7時起床。さわやかな目覚め、といいたいところだが、すぐ隣から一晩中いびきが聞こえ何度も目
を覚まされた。今回は天気の状況を見るためフェリーの予約が直前になり、半個室のツーリストS
が取れず、ベッドが密集しているツーリストAになった。ただ、Aは人数に対してベッド数が多いため
間隔は結構空けてあったが、いびきは通路をはさんだ向こうから聞こえていた。


  5Fのラウンジの船室から。この景色を見ると「ああ、今から北海道に向かうんだなあ」と旅の始まりを感じる。 

 洗面後、早速船内を探検。昨年の舞鶴・小樽間の船より新型というか、だいぶ進化している気が
する。上記のラウンジは昨年の船では喫煙室だったが、この船は禁煙室になっていたのでよく利用
した。 

 いつものうっかり八兵衛で、スマホのケーブルは持ってきたのだが電源アダプターを忘れてきた
ので、受付に行き、貸してもらえないかと聞くと、昨年は貸してくれたのに売店で買えという。ただ、
ケーブルがあるなら5Fにパソコンが使えるブースがあるのでそこで充電できるというので、行ってみ
ると4つ席があり、2人が使っていた。後で使うことにして朝食をとりにレストランへ行った。あまり腹
が減ってなかったのでお粥セット500円を食べたがヘルシーで美味しかった。

       

 一旦部屋に戻り、マップルと出発の前日Amazonで買った北海道キャンプ場ガイドを持って5Fに
行く。窓際の席が空いていたのでスマホの充電をしながら、ツーリングの行程をチェックした。この
キャンプ場ガイドはとても優れもので結構役に立ちそうである。ただ、バイク旅向けではないので、
バイクの乗り入れ可否などの情報はないがとても詳しい内容で、キャンプの可能性がかなり広がり
そうだ。


 その後部屋に戻り、寝不足だったので1時間ほど仮眠する。4Fにカップヌードルの自販機と湯が
出る部屋があったので、普段は滅多に食べないがシーフードヌードルとビールで昼食にする。フェリ
ーでは上陸の6時間前まではビールが飲めるのが嬉しい。


 USBの電源アダプターだが、これからも必要なものなので売店で買う。900円だった。苫小牧の百
均で買おうかと思ったが明日の朝早く襟裳岬に向かうので、ここで買ったのが正解だろう。


 この船で去年無かったものがスポーツルームとゲームルームである。せっかくなので体を動かそ
うとスポーツルームに入ってみた。今通っているジムと同じようなウォーキングマシンと自転車が2
台ずつ、奥に小さな卓球台があった。1km程歩いたが目の前の窓が海に面しており、結構気持ち
が良かった。


 18時頃夕食の案内があったが、宿について飲食するので我慢することにした。それにしても船内
の冷房が効きすぎて非常に寒い。長袖を持ってきていて良かった。下船の時刻が20時30分なので
全て準備して待っていたが一向に案内がない。結局15分前になって放送があり、皆一斉に甲板の
バイクの場所に向かう。そしてバイクに乗ってエンジンをかけ今か今かと降りる用意をしていたが、
タラップがなかなか出口に来ず、野次馬の何人かは接岸の様子を見ようとバイクを降りて見に行っ
ていた。(私もその一人だが・・・。)


 やっと下船しナビをセットして走り出すが、なぜか変な方向に導かれ、真っ暗な道を迷いながら今
日の宿「ライダーハウス苫小牧」に向かう。ライハは初めての経験で少し不安。宿の近くにコンビニ
のセコマがあったので宴会に備え、事前にビール、日本酒、つまみを買っておく。


 住宅街にある宿に着くと外の屋根があるスペース(下の写真参照)で5,6人がすでに宴会をしてい
た。下船の時一緒だったニンジャとカワサキGPZ?の若い夫婦が先に着いていて「遅かったです
ね」と言われた。宿の部屋やルールなどを説明してくれたのはオーナーの奥さんと思いきや、バイ
クで日本一周をしている途中でここに居ついた「イカちゃん」という若い女性で尾道出身だそうだ。 
 仕切のない6畳2間にマットが敷いてあり、5人が雑魚寝をする。広さは十分にあるのでなるべく
離れたところにマットと寝袋をセットした。


 寝る用意ができたので、食べ物と飲物を持って宴会に加わりに外へ出る。テーブルを囲みそれぞ
れが持ってきたものを各自が飲み食いするみたいだ。ベテランらしい2人と若い男性が2人、夫婦と
私と宿の人、9人でバイクや旅の話で盛り上がった。大型を持っているがカブで旅をしている年配の
男性(私より年上かと思っていたら10歳も下だった。)と60歳くらいの大阪から来たホンダの赤い
VFRに乗っている経験豊かな2人が話をリードしていた。大型バイクに乗っている太った兄ちゃんも
よく喋ったが、もう一人の若い男性は一切話に加わらず、酒も飲まず、カップラーメンを食うと早めに
寝てしまった。多分朝早く出発するのだろう、何のバイクに乗っているかも分からなかった。ただ、
泊まった人は必ずバイクと一緒に宿の前で写真を撮り、フェイスブックやツイッターに載せているの
でそれを見ればいいか。ただ、その更新が7月29日から止まっているとベテラン勢にオーナーが責
められていた。 

 11時を過ぎるとオーナーがそろそろお開きにしましょうと、各自部屋に引き上げた。しかし、寝袋
に入ってしばらくすると、部屋の真ん中で寝ている太った兄ちゃんのすさまじいいびきが一晩中聞こ
え、2日連続の悲劇の一夜だった。


<9/4(月)3日目> 苫小牧→襟裳岬→帯広
 朝起きて顔を洗いに台所に行くと、テーブルの上にインスタントコーヒーやステッカー等が置いて
あり、50円で耳栓も売っていた。「そうか。皆、耳栓をしていたから平気で寝てたんだ。ああ、これを
先に知っていれば!」と早速買った。しかしこの耳栓は安いだけあってあまり効果はなく、後にドラ
ッグストアでちゃんとしたものを買った。

 外に出て人気のない町を散策する。びっくりしたのが歩道の幅がすごく広いことだ。なぜか道路と
同じくらいの幅があるのが不思議だった。さすが北海道。それに平屋が多くせいぜい二階建てま
で。

                                 
 皆、出発が早く8時過ぎには記念の写真を撮った後に出て行き、最後は私一人になった。宿の看
板がある所定の位置で写真を撮るのだが、バイクを止めてある場所から段差を超えてバックでそこ
に行くのに、ふらついて倒れそうになるのをオーナーに助けてもらった。情けない。下の私の写真
は、オーナーのツイッターから借用させてもらったものである。

       

 さて、ナビをセットし勇んで出発したが、またしても迷走したり、変な方向に誘導されたりする。原
因を考えると矢印をあと何mで右折とかを示すのが少し遅いので、曲がるタイミングを逃すのではと
気付いた。どっちにしろ、ナビを鵜呑みにせず、昔そうしていたように地図を頭に入れておけば間違
いないのだ。今回の旅で何度道を間違えて無駄な時間とガソリンを費やしたことか。


 正しい道を選択して、襟裳岬に向かう。北海道あるあるで、地図で見るのと実際に走るのでは距
離感が半端なく違う。思ったより時間がかかりそうなので苫小牧から無料の高速に乗ったが、ガソ
リンが残り少なくなったので門別で下りて給油する。それからは下道を走るが、町中に入ると信号
が多く、遅い車が多いのでなかなか進まない。むかわの道の駅でソフトクリームを食べながら休憩
していると、宿で一緒したVFRの人に会った。そういえば昨日、襟裳岬に行くと言っていた。彼は天
気を気にしていて、今日の午後から明日にかけて雨になるそうだ。「カムイコタン公園」でキャンプを
したかったのだが無理そうなので、宿も押さえておかなくてはならない。


 襟裳岬に着くとその前から素晴らしく美しいな景色が目の前に広がった。風は強いが天気も快晴
で、岬の感じは昨年行った神威岬に似ていた。先に「風の館」という、アザラシを観察したり風の強
さを体感する建物に入る。備え付けの望遠鏡で見ると岬の先の海にアザラシがいるらしいのだが
小さくてよく分からなかった。その後、岬の先端まで歩いたが、とても見応えのある景色を堪能し
た。

         

 岬を出て海沿いの道を走っていると急に曇り始め、海からの霧も立ちこめるようになった。トンネル
も多いが、晴れていたら黄金道路という名の通り絶景が広がっていたのだろう。そのうち霧から雨
に変わり、こらえきれずに雨具を着ける。雨雲レーダーを見ると帯広は明日の昼までずっと雨なの
で、昨日ライハで皆が勧めていた帯広市内の「ライダーハウスCafe&Pit」に電話を入れる。オーナ
ーが出て、昨日のことがあるので個室が空いているか聞いた。すると「部屋は空いているけど、人
が増えたら同室になるけどそれでもいい?」と言うのでOKすると、着いたらまた電話してくれとのこ
と。私もそうだが雨の日は結構、飛び込みで来るライダーも多いらしい。


 雨の中ナビが見えづらかったがなんとか街中にある宿に着くと広い屋根付きの駐車場があり、バ
イクや自転車が何台か止まっていた。雨天時に屋根があるのは有難い。端っこにバイクを止め、雨
具を脱いでオーナーに連絡したら、「2階の8号室ね。玄関を入ったら説明が書いてあるので見てく
ださい。」と、素っ気ない返事。結局オーナーには翌朝まで顔を合わすことはなかった。へぇ〜、こ
んなこともあるんだ。


           

 部屋に入ると煮しめたような色の布団の上にシーツと枕カバーが置いてあった。そして壁には何
枚のも北海道の地図。部屋の前が談話室でテーブルには雑誌や灰皿、空き缶が乱雑に置いてあ
り、お世辞にも清潔とは言えない。普通は禁煙なのにここは違うらしい。若い人が多いが私と同じく
らいの人もいる。3人ほどいたが皆、無言で好き勝手にテレビを見たり、スマホをいじったり漫画を
読んだりしている。昨日のライハとはえらく雰囲気が違うが、それぞれなのだろう。幸いなことに宿
の近くには食堂やコンビニがあり、ローソンに酒とつまみを買いに行く。異常に狭いシャワー室で湯
を浴びた後、誰か談話室にいたら一緒に呑もうかと思ったが皆部屋に籠って誰もおらず、仕方なく
部屋で一人寂しく宴会。結局、誰も来ず合部屋とはならなかった。しかし、今日はいびきに悩まされ
ることなくゆっくり熟睡できた。