北海道ツーリング@

7月19日(火)〜21日(木) 【福山→舞鶴→小樽→小平】
<7月19日(火)1日目>福山→舞鶴(新日本海フェリー)
 10時頃出発する予定だったが大雨のため様子を見る。しかし一向に止みそうにないため11時過
ぎにフ ル装備で出発。特に高速で荷物が崩れないよう、2重3重にロープやゴムネットで固定する。
雨の高速は結構きつく、80q以上はあまり出せない。しかも、雨具の中に雨がしみてきて気持ちが
悪い。そのため、サービスエリアに何度も立ち寄り、休憩を多く取りながら走った。


    

 雨のせいか走っているバイクをほとんど見ない。腹は減っていなかったが、休憩を兼ねて吉備
SAで昼食。岡山名物?のデミカツ丼を食べる。デミグラスソースがかかっていたが、やはり卵入り
の食べ慣れたカツ丼のほうが私は美味しいと思う。




 ずっと雨は降り続き、舞鶴近くの西紀SAでフェリー の中で食べるつまみを買い、出発しようとする
とカワサキNinjaZZR1100(時速300km出るすごいバ イク)に乗った神戸ナンバーの年配の人が駐
輪場に入ってきて話をする。彼も今夜舞鶴からフェリ ーに乗ると言う。「また会いましょう、気を付け
て!」と言って先に出る。出たらすぐに雨がやみ次のSAで雨具を脱ぐ。


 17時半ごろフェリーターミナルに到着。受付を済ませ事前にフェリーに持ち込む物をナップザック
に詰めておく。(乗船後は荷物を取りに戻れない規則)バイクはまだ2台しか止まっておらず、えら
い少ないなと思ったが出港が23:55なのに着いたのが早すぎたのだ。


 時間があるので舞鶴の市街で夕食をとろうと思ったら、急に激しい雨が降り出したので、出ていく
のは諦め、ターミ ナルの中にあるレストランで鶏照り焼き定食を注文する。皮がパリッとした照り焼
きを期待したが、 フニャっとしていてがっかりした。


 待合室に戻ると先ほどのニンジャの人が来て挨拶。夕食を済ませてきたらしい。長距離フェリー
は初めてなのでいろいろ教えてもらう。バイクの乗船開始が23時半ごろだと聞いてびっくりする。な
んでもっと早く乗船させてくれないのかと思ったが、その疑問はしばらくしてから解明する。21時過
ぎに小樽から来たフェリーが着いて乗客や車が降り、それから船内を掃除し準備するのに時間を
要するためにこんな時間になるのだ。



 予定より少し早く23時半に乗船開始。予想以上に大きなフェリー。その頃にはバイクも40台くらい
おり、私は3台目だった。待合室で待っているとき、放送でバイクの荷物は転倒防止のため全て下
し、網棚に乗せておけと言っていた。キャンプ道具をしっかり梱包してたので面倒だなあと思った
が、実際はそうではなく下さなくてよかった。おそらく海の荒れ具合によるのだろう。


 荷物を持って階段を上り客室へ。私の部屋はツーリストSというクラスで、ドアはなくカーテンだが
一応2畳ほどの個室でテレビもあり快適。その下がツーリストAというクラスでこちらは2段ベッドでか
なり狭い。ニンジャの人はそちらみたい。大浴場に入り、売店でビールとつまみを買い、このフェリー
の案内などテレビを見ながら酒宴開始。船のエンジンの振動や心地よい揺れですぐに眠たくなる。
1:30頃就寝。

 

<7/20(水)2日目>フェリー→小樽
 ぐっすりと眠り8:00の船内放送で目が覚める。洗面、ゴミの片付けをし、レストランで海を眺めなが
ら朝カレーセットを食べる。サラダと薄味のスープが付いてまずまずの味。食後、デッキに出て写真
を取る。見渡す限りの水平線で、瀬戸内海と違って海が異常に青い。部屋のTVは船が今どこを航
海しているか地図に出るので面白い。現在能登半島沖らしい。当然ながら携帯は圏外である。そ
の後放送があり、小樽発舞鶴行きの船とすれ違う(反航というらしい)と言うので見に行く。もの珍し
そうにデッキで見ているのは私と同じく初めてのフェリー旅の「おのぼりさん」であろう。すぐ近くをす
れ違うのかと思ったら、結構離れていて少しガッカリ。


                        

                    

 スマホの充電のケーブルとカメラ用の予備の電池をバイクに忘れたのに気付き、取りに行けない
かと受付に聞くと、そう いう人が多いのだろう、充電ケーブルは備え付けのものを貸してくれた。カ
メラ用の電池も切れていたが、シェーバー用の電池で代用。


 部屋にいても狭く暗いので、デッキ横の海の見えるテラスのテーブル席に座り、地図を広げて明
日からのコースを考えていたら、ニンジャの人が通りかかっていろいろと話をした。神戸市在住のH
さんは年齢は77歳。バイクツーリングのベテランで北海道は10年ぶり4回目だと言う。バイクの話や
北海道のの見どころ、おすすめの宿やさらには音楽の話まで。バイクは大型ばかりを乗り継ぎ、元
銀行の頭取。退職後も働き、現在は週3日は県の社会福祉会、2日は介護タクシーの運転手をされ
ているとのこと。そのバイタリティーには頭が下がる思いだ。さらに母親がピアノの教師をしていた
ので少しピアノが弾け、何年か前からは孫が使わなくなったピアニカを吹くようになり、バイクに常に
積んで旅に持参しているとのこと。話の中で私が元音楽の教員だと言うと、ビデオ映画を上映する
小さいホールがあって、14:30頃映画が終わると空くので、そこで演奏を聴かせてくれると言う。


 その時間に行くと厚さ1cmの楽譜のファイルとピアニカを用意されていて聴かせていただいた。楽
譜を見ながら聴いていると調が違うことに気が付いた。HさんはまずYouTubeで気に入った曲があ
ればそれに合わせて音取りをし、楽譜は確認用とのこと。楽譜通りに吹けばかなり簡単なのに、わ
ざわざ歌手の調に合わせるため#♭が増えて難しいことをされている。最初3,4曲くらい聴かせてく
れるのかなと思ったら、何と1時間半も次から次へといろんなジャンルの曲を暗譜で吹かれた。私も
単に演奏を誉めるだけではつまらないので、曲にまつわるエピソード、例えば「夏の思い出」を演奏
を聴くと、「これは中学2年の音楽の教科書の定番で必ず授業で取り上げるんですよ。」と言ったり、
「赤とんぼ」では、 「山田耕筰は言葉の抑揚を大切にして作曲してるんです。」と付け加えたりし
た。するとHさんは「山田耕筰は関西学院の出身で私もなんです。」と言われ、最後に「いやぁ、い
い人と知り合うことができた。よろ しければ連絡先を教えてくれませんか。」と言われるので連絡先
を教え、向こうも名刺を下さった。それによると何と33年前のフェアレディZも所有しておられるらし
い。バイクのZZRは爺爺R、フェアレディは婆婆Zと呼んでいるのが面白かった。


 小樽到着は20:45なので、軽く夕食にかき揚げそばを食べるが残念ながら不味かった。20:20頃放
送があり、下船の準備に甲板に降りて、バイクの向きを出る方向にを変える。Hさんが方向転換に
苦労されていたので、周りの者が助けていた。


 車が先に降りた後にやっと下船し、今夜の宿「とまや」に向かった。簡単に着くと思ったが、坂道
をどんどん上がり、目的地近くに来たがそれらしき建物が見つからない。坂道の下まで下りたり、グ
ルグルとその辺を探したが分からず困って宿に電話しようと思っていたら、懐中電灯を振っている
男性がいて、それが出迎えに来たオーナーだった。宿は道路の一段下に あり、看板もなく、これで
は分かるはずがない。せめて看板くらい出しておいてくれよ。(翌朝見たら小さな看板があった)


 宿は築100年くらいの古い建物で、小樽市内の夜景が一望できる素敵な場所。客は私1人だっ
た。オーナーの若い奥さんは広島出身で安田女子大の保育科を出て幼稚園の先生をしているとの
こと。ビールを注文し、買ってきたつまみを食べながら、広島や音楽の話をして盛り上がったが、翌
朝幼稚園の遠足があるとかで就寝。そのあとはギターを趣味で弾いてるというオーナーが来て、客
が置いていった美味しい日本酒や焼酎とつまみを出してくれ、いろいろ北海道の情報などを聞く。
バイクで鹿にぶつかって大けがをする人がいるので気を付けるようにと言われる。「とまや」のような
北海道の旅宿を紹介しているのパンフも頂いた。彼は12時頃寝て、後は自由にゆっくりしてくれと
言われるので、美しい小樽の夜景を見ながら1時過ぎまで図々しくも、しっかり食べて呑んだ。


             

<7/21(木)3日目>小樽→留萌(るもい)→小平(おびら)町 
 8:00起床。少々二日酔い気味。オーナーに礼を言い、まずは小樽運河を目指すが途中で手袋を
忘れていることに気付いて引き返す。ヘルメットの横に置いていたのに、気付かなかったとは、や
はり呑み過ぎのせいか。 再び運河に行くと観光客であふれていた。レトロなレンガ造りの建物に都
会風の店が立ち並び、予想していた雰囲気とは違った。


 朝から何も口にしていないので、赤レンガの倉庫を改造した一階が半額ストア、2階がカフェ風の
店に入る。アイスコーヒーとチーズシフォンケーキを注文すると、他の客が食べていたメロンが目に
止まり、すかさず追加。これが二日酔いの胃にしみて非常に美味しかった。


    

 食後は地図を開き、この旅の初キャンプ地を探す。初山別(しょさんべつ)のキャンプ場を考えて
いたが小樽から は230q近くあるので、観光しながら16時ごろまでに着けるか少し心配である。


 ズボンのベルトを忘れていて無くてもいいかと思っていたが、下の半額ストアに行ってみるとあっ
たので、 700円で買った。幅広でしっかりしていてなかなか良いので帰ってからもずっと使ってい
る。腕時計もあった方が便利なので百均の店を見つけ買った。アナログがよかったがデジタルしか
なかったのでそれを買うが、やはり文字が小さくて見えにくかった。


 店を出て、小樽市内を観光しようかと思ったが、時間が押しているし、また帰りに寄るかもしれな
いのでとりあえず北を目指す。


 走り出してしばらくすると道路沿いに風力発電の風車が立っていて、これぞ北海道の景色だなあ
と感激し写真を撮ったが、そのうち、あちらこちらに立っているので見慣れてしまった。

 昼近くになり、北海道ならではの通称セコマと呼ばれるセイコーマートというコンビニを見つけ、ま
ず初セコマの記念撮影をし、おにぎりとジュースを買う。


   

 そのまま美しい海沿いの景色を左に見ながら北上する。少々風が強く、ポロシャツとウインドブレ
ーカーでは寒くなったので、途中でトレーナーを加える。トンネルに入るとさらに寒く、体感温度は20
度くらいだろうか。増毛(ましけ)の手前の辺りでは長いトンネルがいくつも続き、長いものでは4km
以上もあることも。トンネルに入ると、外が明るいのでとても暗く感じ、そのうえ路面が濡れていて走
りにくい。途中何度も眠気に襲われ、ヒヤッとすることも。増毛を過ぎ留萌に差し掛かったところで、
初山別は時間的にきついので諦め、小平の望洋台キャンプ場に変更する。留萌も見どころは沢山
ありそうだったが、テントを設営した後に行くことにする。


 15時半頃強風の中、小平町望洋台キャンプ場に着き受付を済ます。ここは海沿いの高台にあり、
半端なく風が強い。カラスが異様に多く、電線の上からズラッと並んでこちらを見ている。管理人もカ
ラスに物を取られるので注意するようにと言われた。フリーサイトはだだっ広い芝生だが、バイクの
乗り入れは禁止なので皆駐車場に近い場所にテントを張っている。トイレや炊事等はかなり離れた
オートサイトの中にあり、少し不便。近くにいたハンターカブの若い兄ちゃんに「何にも無いことろで
すね。」と言うと、したり顔で「何にも無いのがいいんですよ!」と返された。ベテランらしく薪で調理
をしたり、夕日の見える場所でイスに座ってゆったりと海を眺めていた。


 テントを設営しようとすると案の定強風に煽られ、普通は15分くらいで設営できるのが1時間近く
かかってしまった。風に飛ばされないようペグも2重に打ち込む。重さのあるものをテント内に入れ、
バイクに乗って再び留萌を目指す。ツーリングマップルの情報では留萌神社に「楽器手ぬぐい・楽
譜のお守り」 と書いてあり、これは行かねばとナビを使いながら探して神社に到着すると、そのよう
な案内や看板は全くないし、人影もなく騙された気分である。


 次に近くの海辺にある黄金岬に行く。夕日の絶景スポットらしく車や人が大勢いた。まだ夕日に
は時間があるので、コンビニやガソリンスタンドの場所を確認しながら、キャンプ場に帰る。

 すると突然「ドドドドッ」という爆音とともに5台のハーレーが私のバイクのすぐ近くに止まり、私のテ
ントの10mくらいの所でテントの設営を始めるではないか。キャンプ場は十分広いのに何でこんな近
くに?!「あっちへ行け」とも言えず、夜遅く騒がないことを祈りながら夕日を見に行く。このグルー
プは多摩ナンバーの女1人男4人で、年は50代くらい。その頃には風も止み、絶景の落日を眺める
ことができ、軍団の連中もやってきて、夕日をバックに写真を撮り合っていた。また、この辺り一帯
にハマナスが咲いていて、赤い実をたくさんつけていたが、実際に見るのは初めてだった。


       

       

 すぐ近くに温泉(キャプ場利用者は割引料金になる)があるので入浴した後、先ほど確認してお
いたセコマに行き、酒とつまみを買って酒宴開始。小樽の「とまや」のオーナーがセコマのスパゲテ
ィーが100円で美味しいと言っていたので、買って食べたがそれほどでもなかった。値上げして120
円だっ たし・・・。


 ハーレー軍団は中高年のせいか意外と静かで、9時過ぎにはテントに入ってくれたので安心し
た。こちらも疲れていたので早めに就寝。夜、寒くて何度も目が覚め、トレーナーを出して着た。