
バイク日記A 2019年 5/4 〜8/11
5/4 スズキの店の対応の悪さに頭にきてオイル交換は自分でやろうと決め、走行距離が4500q近くになったのでついに人生初のオイル交換をすることにした。ネットであらかじめ方法や必要なものを調べ、以下のものを昨日までに用意した。
・オイル(カストロール10W-40) ・廃オイルボックス ・オイルジョッキ ・ドレンパッキン(銅製) ・17mm眼鏡レンチ ・薄ゴム手袋
STはサイドスタンドのみでセンタースタンドがないため、廃油を全部出すためには直立させたり 前後に揺らさないといけないようだ。オイルフィルターも替えようと思ったが次回のオイル交換時に回すことにする。
5/5 昼過ぎからオイル交換に取り掛かる。まずウエスの入った廃オイルボックスを開けドレンボルトの下に置く。眼鏡レンチでボルトを回すが、これが大変きつくて回らない。普通のレンチがあるのにわざわざ眼鏡レンチを買ったのに結構滑る。おかげで右手首がチェンジペダルに当たって少し擦りむいた。結局普通のレンチにして金槌で叩いてようやく外れた。まあ、きつく締めてないとオイルが漏れるからだろう。ボルトを外すと真っ黒いオイルが出てきた。出きったように見えたがネットにあったように、バイクを直立したり傾けたりするとさらに出てきた。さて、次の問題はボルトについていてペシャンコになっていたドレンパッキンが全く取れないことだ。これは先がとがったドライバーで外すことができた。しかし今回の最大の問題が新しいパッキンがボルトに入らないことだ。微妙に径が小さく内径を少し削らないとどうしても入らない。あまりに理不尽なので家に入りネットで調べたがそのような記述はどこにもなかった。皆どうしているのだろう。やすりでごしごししてみたが効率が悪いので、作業台にパッキンを固定し、電動ドリルに鉄鋼用の歯をつけて削り、やすりと併用しながら1時間くらい格闘してようやくボルトに通し入れることができた。ボルトをしっかりと締め、まず1Lほどオイルを入れた。残り0.3〜4Lを入れてレベルを見るとFに近くなったので完了した。その後近所に買い物に乗っていったが、心持ちエンジンがスムースになったような気がした。パッキンの問題が解決すれば簡単な作業である。
5/7 ドレンパッキンが入らなかったのがどうしても気になり、ST250Eと限定してドレンパッキンを探していると、なんと内径が14mmだった。なんで12mmと思って注文したんだろう。これじゃ道理で入らないわけだ。14mmだとかなり余裕があるがネジを締めて潰れたら丁度良くなるのだろう。あと廃オイルを出すときは上のフィラーキャップとかいうオイルを入れる側のプラグを外した方がしっかり出るようだ。
今日は吹矢の練習の日でバイクで行ったが、昨日が休日だったので今日は閉館日だった。そのためUターンして帰ったが、連続で40分くらい走っただけでかなり尻が痛くなった。Wの時はそんなに感じなかったのでシートが硬いのかもしれない。ツーリングに行くときにはクッションを買わなければいけない。あと雨具と靴それに一人用のテント。
5/10 今日から坪生公民館でやっているヨガに行くため、マットが積めるようリヤシートを付けなおした。付けるときは少し苦戦したが、工具がちゃんとそろっていたので10分ほどでできた。何事も慣れだ。ついでにリアボックスの取付のネジのゆるみも調整した。これからツーリングに行くのでしばらくはシングルシートはお預けだ。昨日からネットで一人用テントや雨具、マットなどを検索しているがそんなことも楽しい。
5/15 懸案だったシートのクッションをネット買った。コミネ製でクッションというよりは尻の蒸れを防ぐような2重のメッシュ構造だった。早速使ってみると確かに尻の下を風が通り抜けるようなひんやりとした涼しさが感じられる。夏の暑いときはかなり助かるのではないだろうか?
クッション効果は長距離を走ってみないと分からない。
5/31 シートクッションは暑さ対策には有効だが、クッション性に少し欠けるので、ユーホーでスポンジシートを買って差し込んだら気持ち良くなった。シートポジションが自分にとっては少し低かったがそれも少しは解消されたと思う。
今日はツーリングに備えて、雨具と先芯入りのスニーカーを買うために作業服の店のアタックに行った。以前から坪生や笠岡の歩く場所にバイクで行くのにスニーカーでは左のつま先が痛いし、革靴で歩くのもカッコ悪いしという葛藤があった。冬にアタックでジャンパーを買ったときついでに靴を見ていたら、作業靴らしくない普通のスニーカーのようでつま先に芯が入っているものがあり、これだ!と思った。鉄芯と樹脂芯があり、鉄芯は重いので樹脂芯にした。芯があるためその分厚みがあり、ペダルチェンジがスムースにいくかどうか心配だったが、早速履いて試してみると大丈夫だった。
雨具は昔から使っていたものがあったが、経年劣化で雨を通すようになっていたので少しいいものを買った。ツーリングに行くとほぼ必ず雨に会うので重要なアイテムである。靴は水を通すので、以前持っていたブーツカバーのようなものをネットで探そう。 このようにバイク専門店で値段の高いものでなくても、最近では作業中の店にバイクに使える機能的でデザインもよいものが安く手に入る。
帰りに笠岡ベイファームに寄り、今日はいつも何台かいるバイクが一台もいなかったと思ったが帰る時見ると赤い岡山ナンバーのトライアンフ(車種はよくわからなかった)が隣に止まっていた。すると缶コーヒーを呑みながら同じ年頃の男性が来たので、「かっこいいですね」と話しかけいろいろと話をした。道の駅に行くとこのようなバイク同士の交流があるので楽しい。ちなみに3週間くらい前には同じベイファームで、カブに自作のトレーラーを付けて日本一周をしている名古屋出身の人と話をした。リヤカーのような狭いトレーラーを工夫して寝泊まりできるようにして、「私も今年は北海道に行きたいんです」というと「これからの季節はいいよ、若い女の子も多いし」。「すごい改造ですね」というと「おじさんはヒマだからね」と言ったのが印象的だった。
6/2 倉敷市真備町にある「マビ昭和館」という旧車やレトロなグッズを集めた資料館へ行ってきた。往復100kmちょっとだったが、少し疲れた。尻も痛い。こんなんで北海道まで行けるのだろうか、不安である。やはり250では余裕がない。旧車はそんなに多くなく(10台くらい)展示物もてんでばらばらで一貫性がなかったが、無料なので良しとしよう。分かりにくいところにあったが携帯のナビですぐに見つけられた。毎月第1日曜が公開日で、人もそんなに多くはなかった。バイクがあるかと思ったがポケットモンキーが1台あるだけだった。調べてみると、1昨年の豪雨災害前には何台かあったようだが、壊れたか修理中なのだろう。写真は「日々是好ツー」にあり。
7/11 北海道ツーリング、その前に香住キャンプツーリングに備えてバイク積載用のグッズを主にアマゾンで徐々に揃えている。
これまでに買ったものは
一人用テント →大昔使っていた小さな棺桶型のものと比べると段違いの居住性。
タープ →必要かどうか迷ったが、雨の時を考えて。
ポール →タープだけでなくテントの前室を立てることもできる。
エアマット →とてもコンパクトになる優れもの。→一回使ったら空気が抜けた。さすが中華。
レインコート →防水性抜群。早く使って試してみたい。これは作業服の店で購入。
テーブル →とてもコンパクトになる優れもの。
イス →とてもコンパクトになる優れもの。
ランタン →太陽光発電ができ、スマホも充電できる。→2,3回使ったら壊れた。
シューズカバー →雨が降った時用。
タンクバッグ →以前持っていたが行方不明になったので再度購入。
しかし、これだけのものが小さなバイクに全部積めるか不安である。あと食器や衣類、洗面道具、寝袋・・・やはりWを手放すんじゃなかった。
とりあえず来週あたり梅雨が明けたら香住の辺りでキャンプをして用具の性能を試すつもりである。
7/12 注文していたタンクバッグが来たので早速バイクにつけて走ってみた。磁石が弱いという他社のバッグの評価が多かったが、意外と強く、びくともしなかった。ニーグリップパッドのところは干渉して少しくっつき感が弱かったが、それでも十分のようだ。一応外れた時の予防でセーフティーベルトなるちゃっちい紐が付いていたが必要はなさそうである。ただ、容量が5リットルと少なく、予想していた通りそんなに物は入らない。せいぜいカメラ・財布・携帯・サングラス・眼鏡・水筒・タオルくらいのものだろう。以前使っていたものはこれの1,5倍くらいだったが、タンクの小さいSTにつけるにはこれくらいが丁度いい。機能も色々工夫してあって、いい買い物をしたのではないだろうか?
7/14 リアシートに荷物を積むのに百均でゴムのクロス紐を買ったがそれだけでは心もとないので網目状のネットをアマゾンで注文した。以前使っていたものがあったが、やはり百均で伸びていたので・・・。
8/11 本日は山の日。35,6度の猛暑が続く中、久しぶりに涼しい山の中を走ろうと思い、洒落ではないが山野を目指した。以前何度か走った、龍頭の滝から三和の182号線に出る道を走ろうと思い、15時ごろ出発した。昨年の豪雨の影響はまだ続いており、通行止めのところも何カ所かあるようだった。龍頭の滝の駐車場でトイレ休憩をし、三和に向かう途中「岩屋権現」という看板があり、かつて訪れたことがあったような気もしたが、とりあえず行ってみることにした。道路わきの案内には350mと書いてあったが、細い登り道を1kmは走ったような気がする。付近まで来ると「駐車場300m→」の看板があり、あとから考えると350mとは、ふもとから登山道で歩く距離だったのだろう。さらに進むと少し道が広いところがあったが、その先にちゃんとした駐車場あるのだと思いもっと細くなった道を上がっていったのが悲劇の始まりだった。
あとから思うと道が広くなったところが駐車場だったのだ。コンクリートの細い道を登り切って途切れたところが岩屋権現の入り口だった。(左に石段がある。)その先は砂利道の下り坂でしかも土砂崩れで通行止めの標識があった。さて困ったことに道が細すぎて方向転換ができない。先ほどの広い道までバックで戻るという手もあったが、結構危険である。そこで私がとった方法は少し下った砂利道を左にハンドル一杯に切り、切り返して上に上がろうとするものだった。今までも何度かそういう場面はあって成功するものと思っていたが、やはり誤算は道幅が狭いことと、ぬかるんだ山土と砂利の急坂であったことである。曲がろうとしたが曲がるどころかズルズルとすべり、通行止めのバリケードに当たって止まった。次の一手を考えるためにサイドスタンドを立て、倒れないように小石をサイドスタンドの下に埋めた。そして、まずは岩屋権現に行ってみようと石段を上がっていった。初めて見るそれは素晴らしい神社だった。鍾乳石がえぐれた大きな洞窟のようなところに小さな神社が立っていた。昔、大学の先輩たちと山陰にキャンプで行ったときにこれのもっと大きなものを観た。でもそこは人で賑わう観光地だった。そのような変わった神社が人知れず山の中にあるとは。と感激しつつバイクの方に戻ろうとしたとき、ガシャンと嫌な音がした。
慌てて戻ってみるとなんとバイクが転倒しているではないか!STを買って初の無残な転倒姿が目に入った。起こそうとしたが重たいのと足場が悪いのとで何度やっても持ち上がらない。しかもバイクが倒れたはずみでバリケードも倒れ、そこに前輪がはまった状態である。そこでそのままにして助けを求めれば良かったのに、自力で脱出することを考えたのも間違いのもとだった。
次の計画は砂利道を下っていけば元の道路に出られるのではと思い、歩いて降りて行った。道はますます細くなり、崩れた跡もあり諦めた。そして、転倒した場所から10mほど降りたところに少し広い場所があったので、懲りずにもう一度同じことを試みることにした。前輪を何とか外してバイクを起こしゆっくりと下って行ったが、結果は先ほどと同じだった。
これはもう自力では無理だと思い、レスキューを頼むことにした。最初に電話したのはレッドバロンだったがうちで買ったバイクではないと無理だという。次にJAFに電話すると場所を聞かれ、担当の者が到着予定時間を連絡するという。ただし、会員ではないので最低でも1万3千円かかるという。まあ、仕方あるまいと連絡を待った。JAFに電話したのは5時前だったが、いくら待ってもかかってこない。だんだんと日は暮れてくるし、6時20分くらいになったのでJAFに電話し「1時間以上待っているが連絡がこない」というと、折り返し担当者らしき者が「今日はお盆で忙しく、いつになるか分からない。それに状況を聞いたが車が入れないような道なら行ってみて断ることもある。」要するに来たくないのだ。腹が立ったので即キャンセルした。
さて、残された手段は何かと考えると歩いて山を下りて、人家を探して助けを求めるのが一つ。もう一つは日も暮れるので、無理ならバイクはそのままにしてタクシーを呼んで一旦家に帰り、翌日で出直す。そう判断し、携帯と財布だけを持って山を下って行った。すると畑と作業小屋のようなものがあるところに80歳くらいの男性が丁度スクーターに乗って帰るところだった。この機会を逃してなるものかと大声で「すいませーん!」と呼び止めて事情を説明し、大人の男性が2〜3人いれば助かるのだがというと「この辺は年寄りと女しかおらん。ひょっとしたら息子がいるかもしれんから見てくる」と帰っていった。 10分ほどその場で待っていると先ほどの男性が軽トラに乗って現れ、「息子はいなかったが、近所の人がいたので後から来る」といい、続いて軽トラに乗った同じ年頃の人がやってきた。老人2人で大丈夫かと一瞬不安になったが、とにかくこの2人に頼るしかない。後から思えばこの2人に助けてもらったのは神の恵みというか岩屋権現のお力というしかない。現場に着くと、私が切り返して向きを変えたいというと、これくらいのバイクなら後ろを持ち上げてずらし向きを変えるという。私はバイクが下にずれないようにブレーキをかけていたのでほとんどこの2人で向きを変えるのに成功した。考えの甘い私はこれですぐ登れると思ったが、ことはそんなに簡単ではなかった。やはり坂が急なのと足場が悪いため、タイヤが滑って空回りするのだ。結局2人が押してくれたのだが、「ゆっくり走れ、山側を走れ」とアドバイスしてくれ、何とかコンクリートのところまで上がることができた。最初ふかしたりしたためおそらく泥が沢山かかったのではないかと思う。私は5千円を出し「ありがとうございました。本当に助かりました。これは少ないのですがビールでも飲んでください」と渡そうとしたが2人はどうしても受け取ってくれれず「また、ここへ来てや」とおっしゃるだけだった。
バイクに長いこと乗ってきたが、私にとって最大のピンチはこのように脱した。この日の反省はしっかりと心に置きとどめておかなくてはならない。